ドラッグストアのオーラルケアコーナーを訪れると、「歯を白くする」「輝く白い歯へ」といった、魅力的な言葉を掲げた「ホワイトニング歯磨き粉」が、棚にずらりと並んでいます。歯科医院でのホワイト-ニングに”比べて、はるかに手軽で、安価に始められることから、歯の黄ばみに悩む多くの人が、一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか。しかし、ここで、多くの人が抱く素朴な疑問、それは、「本当に、歯磨き粉だけで、歯は白くなるのか?」というものです。この問いに、正しく答えるためには、まず、市販のホワイトニング歯磨き粉にできることの「真実」と、その「限界」を、冷静に、そして科学的に、理解する必要があります。結論から言うと、市販のホワイト-ニング歯磨き粉”だけで、歯科医院で行う医療ホワイトニングのように、「歯そのものの色を、内側から漂白して、元の色以上に白くする」ことは、残念ながら「不可能」です。日本の法律では、歯を漂白する効果を持つ「過酸化水素」や「過酸化尿素」といった成分を、市販の歯磨き粉に配合することは、認められていないからです。では、ホワイトニング歯磨き粉は、全く意味がないのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。市販のホワイトニング歯磨き粉の、真の役割は、歯の表面に付着した、コーヒーやお茶、タバコのヤニといった、「着色汚れ(ステイン)」を、効果的に「浮かせて、落とす」ことにあります。つまり、その効果は、あくまで、歯の表面の汚れを取り除き、その歯が本来持っていた「元の色」に、近づけることなのです。ホワイトニング歯磨き粉は、「漂白剤」ではなく、非常に高性能な「ステイン除去剤」。この、正しい位置づけを理解することが、製品に過度な期待をせず、自分の目的に合った、賢い選択をするための、最も重要な第一歩となります。
「ホワイトニング歯磨き粉」で歯は本当に白くなるのか?