「歯医者は高いから、まずは、手軽なサロンのセルフホワイトニングから」。そう考える人も、多いかもしれません。しかし、多くの歯科専門家が、警鐘を鳴らすように、安易な「セルフホワイトニング」こそ、「しない方がいい」選択肢である、と言えます。その理由は、その限定的な「効果」と、看過できない「危険性」にあります。まず、効果の面ですが、セルフホワイトニングは、歯科医院で行う、医療ホワイトニングとは、全くの別物です。サロンで使用できる薬剤は、歯の内部を漂白する「過酸化水素」などではなく、歯の表面の汚れを浮かせる「化粧品成分」です。したがって、その効果は、あくまで、コーヒーやお茶による「着色汚れ(ステイン)」を、クリーニングし、歯本来の「元の色」に、近づけることに、限定されます。歯そのものの色を、内側から白くする「漂白効果」は、一切ありません。「元の歯の色以上に、白くはならない」。この、根本的な限界を知らずに、過度な期待をすると、時間とお金を、無駄にしてしまいます。しかし、より深刻な問題が、「安全性」への懸念です。セルフホワイトニングの、最大のリスクは、施術前に、歯科医師や、歯科衛生士による、専門的な「口腔内のチェックが、全くない」という点です。もし、あなたに、未処置の「虫歯」や、「歯のひび割れ」、あるいは、「重度の歯周病」といった、問題があったとしても、それに気づかないまま、施術を行ってしまうことになります。これらの、トラブルを抱えた歯に、薬剤を塗布する行為は、症状を、悪化させたり、予期せぬ痛みを、引き起こしたりする、危険性を、はらんでいます。また、施術を行うのは、利用者自身であり、サロンのスタッフは、医療資格を持たない、一般の従業員です。万が一、施術中に、何らかのトラブルが、発生しても、彼らは、適切な医学的対処を、行うことはできません。全ての行為は、「自己責任」となります。歯科医院でのホワイトニングは、「医療」という、厳格な安全管理と、法的責任のもとで、行われます。セルフホワイトニングの、安さと手軽さは、この、目に見えない「安全という名のコスト」を、削ぎ落とすことで、成り立っている、という側面があることを、冷静に、認識しておくべきです。