近年、駅前や、ショッピングモールなどで、「短時間・低価格」を謳う「セルフホワイトニング」のサロンが、急速に増えています。歯科医院よりも、はるかに、敷居が低く、その値段も、1回あたり「数千円から」と、非常にリーズナブルなため、多くの人が、気軽に、利用しています。しかし、この、サロンホワイトニングの「値段」と、そこで得られる「価値(効果)」については、冷静に、そして、正しく、評価する必要があります。セルフホワイトニングの値段が、なぜ、これほどまでに安いのか。その理由は、それが、歯科医院で行う「医療行為」ではなく、あくまで、美容院や、ネイルサロンと同じ、「美容サービス」である、という点にあります。サロンでは、歯科医師の資格を持たないスタッフが、施術を行うことはできないため、全ての工程を、利用者自身(セルフ)で行います。これにより、専門家の人件費が、大幅に、削減されています。そして、何よりも決定的なのが、使用できる「薬剤」の違いです。サロンでは、歯を、内側から漂白する「過酸化水素」などの、医薬品を、使用することは、法律で、禁じられています。使用されるのは、ポリリン酸ナトリウムなど、歯の表面の汚れを、浮かせて落とすことを目的とした、「化粧品成分」です。つまり、セルフホワイトニングの効果は、あくまで、コーヒーやお茶による「着色汚れ(ステイン)」を、クリーニングし、歯本来の「元の色」に、近づけることに、限定されます。歯そのものの色を、白くする「漂白効果」は、一切ないのです。したがって、「数千円で、歯が白くなる」という期待で、サロンを訪れると、その結果に、がっかりしてしまう、可能性があります。セルフホワイトニングの価値は、「歯の表面の、大掃除」や「本格的なホワイトニング後の、メンテナンス」として、その限界を理解した上で、利用することにある、と言えるでしょう。値段の安さの裏側にある、効果の限界と、専門家が介在しないことによる、安全性の問題を、天秤にかける、冷静な判断が、求められます。