歯のホワイトニングは、魔法ではありません。中には、その化学的なメカニズム上、ホワイトニング剤が、全く作用せず、白くすることができない、あるいは、効果が、極めて出にくい、特殊なタイプの「変色歯」が存在します。これらの歯に対して、ホワイトニングを行うことは、時間と費用の、無駄になる可能性が高いため、「しない方がいい」と言えます。まず、ホワイトニングが、全く効かないのが、「人工の歯」です。セラミックや、レジン(プラスチック)で作られた、被せ物(クラウン)や、詰め物(インレー)、あるいは、入れ歯は、天然の歯とは、材質が、全く異なるため、ホワイトニング剤では、一切、白くなりません。もし、これらの人工歯の色が、気になる場合は、ホワイトニングで、周りの、天然の歯を白くした後に、その色に合わせて、人工歯そのものを、作り直す必要が、あります。次に、効果が出にくいのが、歯の「神経が死んでいる歯(失活歯)」です。虫歯や、外傷で、歯の神経が死んでしまうと、歯は、歯髄内の、血液成分などが、変性することで、内側から、徐々に、黒ずんでいきます。この、内部からの変色は、歯の表面から作用する、通常のホワイトニングでは、白くすることが、困難です。この場合は、「ウォーキングブリーチ」という、歯の内部に、直接、薬剤を注入する、特殊なホワイトニング法が、適用されます。そして、ホワイトニングの、最大の難敵とも言えるのが、幼少期に、「テトラサイクリン系」という種類の、抗生物質を、服用したことが原因で、歯が、灰色や、茶色、あるいは、縞模様に、変色してしまっている「テトラサイクリン歯」です。この色素は、歯の象牙質の、深い部分に、強力に、沈着しているため、通常のホワイトニングでは、満足のいく結果が、得られにくい、代表例です。これらの、ホワイトニングが効かない歯に対しては、「ラミネートベニア」や、「セラミッククラウン」といった、歯の表面を、セラミックで覆う、審美補綴治療が、最終的な解決策となります。自分の歯の変色の原因が、何であるのかを、歯科医師に、正確に診断してもらうことが、無駄な治療を避けるための、第一歩です。