歯のホワイトニングを、絶対に「しない方がいい」、あるいは、する「べきではない」人の、最も代表的なケース。それが、「未処置の虫歯」や、「重度の歯周病」といった、口腔内に、明らかな病気を、抱えている人です。これは、安全性に関わる、最も基本的な、禁忌事項です。なぜなら、ホワイトニングで使用される薬剤の主成分である「過酸化水素」や「過酸化尿素」は、健康な歯に対しては、安全性が確認されていますが、病的な状態の歯や、歯茎にとっては、非常に強い「刺激物」となり得るからです。例えば、虫歯によって、歯に、小さな穴が開いていたり、歯の表面に、目に見えないほどの、微細なひび割れ(クラック)が入っていたりする場合。そこに、高濃度のホワイトニング剤が、浸透すると、薬剤が、歯の内部にある、神経(歯髄)にまで、直接、到達してしまいます。その結果、まるで、虫歯の痛みが、何倍にも増幅されたような、激しい、耐え難い痛みを、引き起こす危険性が、極めて高いのです。また、歯周病が進行し、歯茎が下がって、歯の根元(歯根)が、露出している場合も、同様に、危険です。歯の根元は、硬いエナメル質で覆われておらず、刺激が、神経に伝わりやすい、デリケートな象牙質が、むき出しの状態です。ここに、薬剤が付着すると、激しい知覚過敏を、誘発します。さらに、歯周病によって、歯茎に、強い炎症や、出血がある状態で、ホワイトニングを行うと、薬剤の刺激によって、その炎症を、さらに悪化させてしまう、可能性もあります。したがって、信頼できる歯科医院では、ホワイトニングを始める前に、必ず、口腔内全体の、徹底的な診査・診断を行います。そして、もし、これらの問題が見つかった場合は、「ホワイトニングよりも、まず、虫歯と歯周病の治療を、優先しましょう」と、提案するはずです。健康な歯と、歯茎という「土台」があってこそ、安全で、美しいホワイトニングは、初めて、成り立つ。この、大原則を、決して、忘れてはなりません。